手や足の神経痛、痺れについて、説明してゆきます

手の神経痛や痺れは、どうして起こるの・・・・?

sick_te_shibire手や足のしびれを訴えて、多くの患者様が来院されます。一般的に述べると、手、すなわち上腕及び手のひらや指の痺れや神経痛は、頸部に原因があります。頸部の骨の病気か、筋肉の緊張による神経圧迫です。

足の神経痛や痺れは、どうして起こるの・・・・?

一般的に足、すなわち臀部や鼠径部、大腿部、下腿部、足先の痺れは、腰部に原因があります。腰部の骨の病気か、腰部および臀部の筋肉の緊張による神経圧迫です。

手の痺れは、頸部のどんな疾患が原因・・・・?

頸部の骨の疾患としては、頸部の椎骨の一部が変形し、軟骨がすり減る病気、「頸椎症」があります。また骨に異常がなく、頸部及び胸郭の筋肉群の緊張によって、起こる場合があります。胸郭出口症候群と言います。

手の痺れは、どの部位を治療すれば良いの・・・・・?

bensyou手すなわち上腕及び指先までの神経は、頸椎の椎骨の間から出て、鎖骨の下を通って指先までつながっています。そのために手が痺れるのです。痺れているその場所が悪いのではありません。たとえ指先が痺れていても、原因は頸部の椎骨及び筋群にあるのです。ですから、治療しなければならない部位は、頸部及び胸郭の筋群及び肩背筋群となります。頸部と肩背筋群は密接に関係しているからです。

頸部から手まで繋がっている神経は、尺骨神経、橈骨神経、正中神経の3つの神経に分けられます。通過する部位が異なるので、神経が支配する部位も異なります。ですので、痺れる部位や範囲によってどの神経が圧迫されているか分かります。同時に2つの神経が圧迫されていることもあります。

足の痺れは、腰部のどんな疾患が原因・・・・?

腰部の骨の疾患としては、椎間板ヘルニア、脊柱間狭窄症、分離すべり症、圧迫骨折、変形性脊椎症があります
また骨に異常がなく、腰部および臀部の筋肉部の緊張によって起こる場合があります。筋筋膜性腰痛症や梨状筋症候群などによるものです。

原因

何故、頸部や腰部の骨が変形したり、変位を起こすのでしょう。また頸部や腰部の筋肉は、何故過剰な緊張を引き起こすのでしょう。その原因をこれから見ていきましょう。

椎骨や軟骨の変形や変異について

なぜ骨が変形したり、筋肉が硬くなるのでしょうか

kiritsukin骨は筋肉によって支持され、支えられているので、筋肉がなくては骨だけでは、運動することも、歩くことも、立つことも出来ません。

一つの骨を何種類もの筋肉があらゆる方向から支えています。また、筋肉は何層にもなっており、それぞれが骨を支柱として筋肉群が支え、運動するための役割を果たしています。

頸部の筋肉は、腰部や骨盤の筋肉の状態や姿勢の影響も受けます。なぜなら、骨盤の上に背骨(脊柱)がのり、その上に頭をのせています。骨盤(仙骨)から腰部、背部、頸部まで、一番深層にはそれらを支持する筋肉である、多裂筋や回旋筋が連なり、その上に脊柱起立筋が腰部から頸部までのびて、支えています。中間層に腰部の筋群、肩背及び頚筋群があり、その上にみなさんがよくご存知の、後背筋や僧帽筋が脊柱を支えているのです。

骨や筋肉は姿勢や動作、
身体の動きの影響を常に受けています

腰部や臀部の筋群の緊張によっても足の神経痛や痺れが起こる

c1ee6ae8c5d5da610f831ca56270afd0たとえば、歩きすぎて足が疲れてふくらはぎが痛くなるとします。ふくらはぎの緊張は、大腿部や臀部、腰部にも及びます。下腿部の疲れは、臀部に影響し、臀部の腰部に対する支持力が低下すると、腰部の緊張を引き起こし腰痛に繋がります
また中腰で過剰な負荷がかかる動作や一定の姿勢が永く続き、一日の回復力以上の負担が腰部にかかり続けると、段々、表層の筋肉だけでなく中間層、さらに深部の筋肉まで緊張を引き起こします

頸部の筋群の緊張によっても手の神経痛や痺れが起こる

パソコンの前に座って一日中仕事をする日が続いているとします。座位で前かがみの姿勢は、腰部にも頸部にも負荷がかかります
頸部の骨は、頭や首が自由に運動し、動かせるように腰部の椎骨に対してかなり細くなっています。
とくに頸部は重い頭を支えているので、細い頸部の骨にとってはかなりの負担となります。そのため、首および胸郭の筋群は、頭を必死に支えようとして激しい緊張を強いられるのです
首の痛みや肩こり、背中の痛みに繋がります。
さらに一日の回復力以上の負荷が頸部にかかり続けると、頸部および胸郭の深部の筋群の過剰な緊張を引き起こすのです。

骨の異常や病気がなくても、腰部や頸部の過剰な筋緊張は、手や足の神経痛や痺れを引き起こします。さらに無理を続けていると頸部や腰部の骨や軟骨の病変につながるのです。

骨や筋肉がどのような影響を受けるか、日常生活の中で見ていきましょう。以下、箇条書きにします。

  1. 椅子に座って、一日の長い時間、同じ姿勢でパソコンにむかっている。

    同じ姿勢を続けていると、強い力がかからなくても、筋肉は疲労し凝りや痛みを引き起こします。同じ姿勢は45分以内とし、席を少し外す、伸びや軽いストレッチをするなどして姿勢を変えましょう。

  2. 重い荷物を運んだり、移動させたりしている。

    腰や臀部、足、頭部および頸部にも負荷がかかります。正しい姿勢で呼吸を動作に合わせて、気持ちを集中させて行いましょう。

  3. 同じ姿勢、動作又は不自然な姿勢で手作業を続ける。

    軽微な作業でも、長い時間続くと筋肉や骨に大きな負荷がかかります。続けて仕事をしていると、集中力が落ち能率が低下します。能率を上げるために一休みすることを選択しましょう。

  4. 中腰や膝をついて作業をするなど、不自然な動作が続く。

    過剰な負荷がかかる労働は、筋肉を鍛えることにはなりません。運動などして筋肉を鍛えておきましょう。

  5. 月に3~4回、又は5~8回、週に1~2回激しくスポーツを行う。

    スポーツはストレス発散になり健康にもとても良いのですが、週1~2回のスポーツは、身体の頑張りすぎになることもあります。スポーツをするその一日のために、日頃より10分、15分でも運動しましょう。

  6. 猫背や0脚などの癖付いた姿勢で 仕事や生活を行なっている。

    猫背、0脚になると、下半身の力が抜け、上半身に力が入った姿勢となります。猫背、0脚は改善できるので是非とも治療しましょう。

  7. 同じ場所、一定の角度でテレビを見続ける。

    骨盤や腰椎・頸椎の歪みに繋がります。
    見る姿勢や場所を変えましょう。

  8. 常に何かに悩み、ストレスが多い。人前で自分の気持ちを隠し、我慢して出せないので、フラストレーションが多い。精神過労が続く。

    イライラとするだけで血液が酸性化し、筋肉が緊張します。精神的な緊張は筋肉の緊張につながり、全身が疲労します。良いカウンセラーやメンターと繋がりをもつなどして、できるだけ早くストレスを解消しましょう。

これらの疾患を主に扱う病院は整形外科です

整形外科では、主に投薬、注射、牽引などの物療によって治療を施します。

これらの疾患を扱う治療所

○鍼灸院、整骨院、鍼灸整骨院、マッサージ院、カイロプラクティック院、整体院などがあります。
☆鍼灸、マッサージ、整体、矯正、カイロ、心理療法、様々な方法を合わせてできる治療所もあります。

当院の治療方法

頸椎について

左の首から肩、上腕外側にかけてのしびれと痛だるさが治りました。

●症状

左の首から肩、上腕外側にかけてのしびれと痛だるさ。気持ちがイライラし何事にも集中できない。就寝中に症状で目が覚める。・鎮静剤や温湿布も全く効果が無い。 以前はこの症状は2日ほどで治まっていたが、今回は1週間継続したため受診した。

●受診 

こちらを選んだ理由は、以前坐骨神経痛で整形外科に掛かった時の対症療法にがっかりしたことと、体の深くにまで直接働きかけてくれそうな鍼灸に興味があったからだ。ネットを利用し服部駅に複数の鍼灸整骨院を見つけたが、「中医学」を標榜されているのはこちらだけであった。また、治療費も他とは差があった。中途半端な判断で症状を長引かせたくなかったので賭けてみた。

 

 

症例1
N.Oさん 女性 42歳 主婦業

主訴

①首を左右に回したり、下を向いたり上を向いたり、横に倒すことができない(頸椎ヘルニア)
②口を開くことができない(顎関節症)

随伴症状

〇首肩の凝り
〇目眩
〇腰痛

現病歴

ある日突然に首が動かなくなる

5441022人目の子供が生まれ、私が真ん中で、三人でサンドイッチになって寝ていました。身動きできない状態で寝ていて、ある日、朝起きたら突然、首が動かなくなりました。病院で頸椎ヘルニアと診断され、MRIで骨が大きく出て、神経を圧迫している写真を見せられました。

いつか手術が必要になる

もし進行して、痺れや麻痺が足に来ると、手術が必要だと言われ、安静を指示されました。その写真を見せられ、手術のことを言われてから、首に負荷がかかる動作がとても不安になりました。事実、ちょっと無理をしたり、つまづいただけで、首が動かなくなりました。

5年間、ロボットのような生活をしていました

katakori_womanこの5年間というもの、首がほとんど動かない状態で、現在もロボットのような生活を続けています。首肩が凝りすぎて、我慢できなくなると、整体や整骨院に行きます。

怖いので首や腰を触らせない

首は絶対触らせないようにしていたそうです。段々腰も痛くなり、腰も触らせないようにしていたそうです。事実触られた後は、首が動かなくなり、余計に悪くなりました。

突然口が開けられなくなる

gakukansetsuこんな生活を5年間続けていましたが、今度は口が開かなくなりました。指一本程度が限度で、それ以上開けると、痛みで開けられません。顎関節症と診断され、口腔外科などに行きましたが、改善されなかったので、鍼治療を受けてみようと思いました。

どんな病態であったか

まず首肩、肩甲間部の筋肉が緊張して、張り詰めてガチガチに固くなっていた。首がほぼ直立で、左右前後ゆっくりにしか動かせない状態である。

動かすことが怖い

また動かす事を恐がっていた。ちょっと触れるだけでピリピリとしていて、とても敏感である。背中、腰を触るとピクピクとなり、筋膜に炎症を起こした状態で、とても緊張し、敏感になっている。

口は指一本分しか開かない

口は指一本開口するのが精一杯で、それ以上開けられない状態である。食べられるものが少なく、これからどうなるのだろうと不安を持っている。

治療方針

私が身体に触れると必ず治る

首や顎、腰を治すためには、絶対首や顎、腰に触らないといけない旨を伝えた。治療して悪くなるようなことは絶対になく、心地よいタッチぐらいで筋肉に触れ、筋肉を緩ます。軽く触れるだけで全く痛みなく骨も矯正するので、まず身体に触れることの理解と了解を得た。

まず精神的な緊張を緩和させる

illust4238精神的な緊張を緩和する治療を鍼で行う。気血をめぐらし、心を落ちつかせるツボを配穴する。心理的に落ちついた状態で、首肩、背中、腰をやわらげていく

顎の治療は最後に行う

最後に全身の筋肉をゆるめてから、顎の治療に入る。咀嚼筋である咬筋、側頭筋、外側内側翼突筋の緊張を改善させていく。これらは、不眠やストレス緩和のツボである。また、上がる・しまる・潤うの美容のツボでもあるから、リラックスできるはずだ。

ラポール(信頼関係)が築けた

imageki治療の手順や方法を通して、ラポール(信頼関係)を築き、信頼関係を強めていく。信頼関係なしには治療が成り立たない。首の骨がどうにかなって歩けなくなるという潜在的恐怖に洗脳されているので、そこを払拭する必要がある。

治療経過

1回目の治療で効果をもたらす

1回目の治療で信頼を得、13回の治療で見違える程病態は好転した。その後、治療する毎に痛みが少しずつ改善されていった。

不安や恐怖が軽減する

身体を動かす事への恐怖が軽減し、動きが大きくなった。ちょっとした動きでも、首の負担を警戒していた。首を動かしても悪くならないと言うことが、10回ほどの治療の中で本人が少しずつ感じていた。

全ての症状が改善
気持ちがとても明るくなり、
身体に対してより自信を持てるようになった

s-2011030711283713927916回の治療で首の動きも良くなり、口も普通に開けられるようになり、腰の痛みもなくなった。精神的に明るくなり、首への不安が大幅に軽減した。鉛のように重かった首も普通に動くようになった。以後、コンディションの維持の為、鍼治療を月2回、2週間に1度くらいの間隔で続け、コンディションの維持、さらなる良いコンディションにすることを目指していく。

私見

鍼灸治療が最も効果を発揮するわけ

216033手の神経痛や痺れは、首の骨や筋肉が原因で引き起こされる(前腕の強い緊張でも稀に発生)。首はデリケートな部位で、治療は安全・安心のもとで緻密で丁寧な治療方法を選択し根気よく続け、深層の筋群までほぐして行く鍼灸治療が最も効果を発揮する
鍼灸で筋肉をゆるめておけば、矯正も容易に行える。手で軽く触れただけで正しい位置に骨は戻って行く。

「神経痛・痛み・痺れ」に鍼灸治療

首が痛い、首が動かない、手や指が痺れる、首から肩、上腕にかけて痛みと痺れがある。首を動かすと、肩背部に神経痛の痛みが走る。目がショボショボして、なかなか治らないなどの症状も鍼灸治療が著効をあらわす健康のことを考えれば、対処療法ではなく、根本療法である鍼灸治療の選択が何より望まれる

「手足の痺れ・痛み」の専門治療所

当院は、手・足の痺れ、痛み、神経痛の専門治療所と認識して頂いており、新しい患者様が絶えない。激しい痛みや神経痛の場合、比較的早く来られるのですが、鈍い痛みや痺れが続く時、早めに来てほしい。痺れは痛みより進行しているケースが多い。

鍼灸治療ですべてにポジティブな発想

鍼灸治療では、再発が少ないこと、身体のコンディションが良くなり、同時にストレスが解消される、気持ちや考え方が建設的でポジティブになるなどの利点で喜ばれている。

 

 

腰椎について

症例2
74歳 女性 T.Mさん 主婦業

平成28年11月16日、初診

主訴

腰の痛み、腰から右臀部~右大腿外側への神経痛の様な痛み

随伴症状

肩が凝る

既往歴

糖尿病

現病歴

kansetsutsuu_ashikubi母が神経痛で足が痛くて歩けないが、診てもらえないかという電話を娘さんから頂き、平成28年11月16日に当院に来院しました。娘さんが押す車いすに乗ってこられました。手を貸せば何とか歩ける状態でありました。11月10日に痛みが出て、11月13日に救急車で病院に運ばれました。病院で処方されたロキソニン・リリカカプセルを服用中でした。

どのような病態であったか

問診及び徒手検査で椎間板ヘルニア、分離すべり症、圧迫骨折、脊柱間狭窄症を除外できた。考えられる病態は、変形性脊椎症は頭に入れたが、腰部・臀部筋群の使いすぎで腰部及び腰仙部及び臀筋群の深層まで緊張を萎縮し、それぞれの部位で神経圧迫を起こし、大腿外側の神経痛を起こしていると判断した
畑で例えれば3年ぐらい何も手入れしないで放置した状態

治療方針

緊張萎縮、疲労困憊した筋肉を丁寧に表層からほぐし、中間層、深部の筋群まで、ほぐして神経圧迫を取りのぞく。神経圧迫を取りのぞくのは、深層部の筋群をゆるませることが必要である。深層部の筋群までいくのに一定の時間がかかるので、治療間隔をできるだけつめる。

治療経過

11月16日~29日まで、12回毎日のように治療を施した。腰部の痛みがなくなり、わずかに右大腿外側の神経痛が残存するだけになった。
12月は週1、5回の治療を行った。完治する見通しがほぼついたので、治療を週1とし、車いすではなく、歩いて来院するように話した。12月29日、神経痛の痛みが完全に消失した。年内に完治して良かった。
翌年、平成29年1月からは月2回、2週間に1度の治療に切り替え、現在に至る。2週間分の疲れを取るだけで、身体は常にベストコンディションを保てる。飼っている4匹のネコが、膝や肩に乗ってくるため、たまに肩も凝るので治療を行なっている。
現在、自転車で来院し、自転車でどこでも買い物に行き、腰の痛みや神経痛は完治し、ベストの体調を維持している。

 

症例3
84歳 女性 T.Sさん 主婦業

現病歴

以前当院に通われていた患者様に付き添われて、タクシーで来院されました。家が近所なので見に行ったら、家の中をはって動いていたのでとてもビックリしたそうです。
2週間ほど病院に通い、薬を服用中であるということでした。なかなかよくならないので色々考えていたら、以前通っていた当院があることを思い出し、鍼しか駄目だと思い、連れてきました。平成29年6月5日、当院に来院されました。

どのような病態であったか

横について腕を組んで、一歩ずつゆっくり歩行する必要があった。腰及び右臀部~右大腿部前面にかけて激しい神経痛の様な痛みがあった。問診及び徒手検査で、椎間板ヘルニア、分離すべり症、圧迫骨折、脊柱間狭窄症を除外できた。うつぶせになると痛み、ベッドに長く寝る事が出来なかった。

治療方針

緻密で丁寧な治療を繰り返す

_MG_1102腰部及び腰仙部そして、右臀筋群の浅層より深層の筋肉を丁寧にほぐし、神経圧迫を取りのぞく。右腰部はぴりぴりと敏感になっており、柔らかく短い鍼で表層からほぐしていく。腰仙部も緊張及び炎症が強く、やわらかく表層よりほぐしていく。右臀筋群の緊張も、深層に及び範囲も臀筋群全体に広がっていた。なので大臀筋・中殿筋・梨状筋・閉鎖筋・双子筋・大腿方形筋の全てを丁寧にほぐしていく。

痛みが消失するのは深層の筋肉をほぐしてから結果が出る

腰部及び腰仙部及び臀筋群の広範囲の深層の筋群の炎症、緊張萎縮をとらないと、神経圧迫はとれない。
以上の理由で、神経痛の痛みの回復にはかなりの月日と治療回数がかかることを告げた。

治療経過

6月5日~7月8日まで20回ほぼ毎日の様に治療をほどこした。腰部の痛みが完全に消失し、大腿部の痛みがわずかに残る程度になた。
以後治療を2、3日に1度とし、7月22日、腰及び神経痛の痛みが完全に消失したので、治療を1週間あけて様子をみることにした。7月26日、全ての痛みが消失し、完治した。以後2週間に1度の治療に切り替える。

どこへでも買い物にいけるし、旅行も大丈夫な状態の旨を伝えた。舌・脈診からも体調及び身体のコンディションがとても良好なことが判断できたからだ。

鍼灸治療の醍醐味

鍼灸治療を行なっていると、ほとんどの方が若返る。内臓が強化され、体質が変わり、風邪をひきにくくなり、血色がとても良くなる。そして、快食、快眠、快便となる。鍼灸治療は免疫力を引き上げ、良好なコンディションを保つ事に著効をもつ。また、将来の病気を予測して、未病で治すこともできる。

私見

手足の神経痛や痺れの病態と理想的な治し方

手や足に神経痛を及ぼすとき、首や腰の筋肉はどのようになっているのでしょうか?

頸部や肩背筋群の筋肉、腰や腰仙部、臀筋群、の状態がどのようになっているのか詳しくご説明してゆきます

私たちの筋肉は大地や畑:田んぼの
土の状態に似ています。

542f3c6fe2da0c086bec32c757a47d41_m私たちの筋肉は、身近なもので例えると、大地や畑:田んぼの土の状態に似ています。良く肥えた畑は、作物をしっかりと支持し、根がすくすくと伸び、大きな立派な花や作物が育ちます。それは、畑の土が適度な水分をもち弾力があるからです。私たちの筋肉も健康である場合は、この畑の状態に似ています
筋肉に適度な水分を持ち、弾力があるのです。

鍼を刺入したときの施術者の指に伝わる感覚

鍼を刺入すると横からの水平圧、下からの垂直圧がしっかりとあって、鍼を進鍼しやすく、刺入した後もしっかりと鍼を支えてくれます。
軽く引っ張っても弾力があり、抜けない状態です。
私たちの筋肉の状態を例えると、、、、、、。
a0259fa42fc798e1d039724c42ca3c4a_m私たちの筋肉も大地と同じように、力がかかっている所ほど、大地の底のように固くなっています。また弱っている所ほど、田んぼや沼地のようになっています
大地は深く掘るほど土が湿って硬くなってきます。田んぼの中に長靴を履いて入ると、足が取られて抜けなくなりますよね。
土の硬さは土の体積や量、含む水の量によって硬さはそれぞれ異なります。水分の少ない沼地では、傘の先の尖ったところで刺すと穴が開きますね。水分の多い沼地では、傘で刺しても穴はすぐに埋まってしまいます。
腰が痛いとか首肩が凝る場合、良く肥えた畑ではなく、以上のいずれかの土の状態になっています

何故鍼がこんなに神経痛やしびれに効果があるのか

鍼による治療は、これらの田んぼや沼、大地の底のような状態をよく肥えた畑にすることを目標に行います。
1、2年放置して固くなった畑を耕すとき、みなさんならどうされるでしょうか?
一箇所だけを深く掘り下げても全体を耕すことはできません。畑のようにはなりませんよね。鍬かトンガで表面から浅く全体的に耕してゆくでしょう。まず最初の一日は全体の一番大切な所から始め、半分で終わるかも知れません。深さが5センチ掘れたとします。全体を5センチ耕し、次に10センチ、15センチ、20センチと耕してゆきます。深いほど良いですよね。にんじんや大根なら、30センチ40センチと深く耕す必要があります。

畑を耕すのと同じ方法で行う
リンパ球や血液が、筋肉の修復をはかります

私たちの筋肉を良くするのも、同じ方法で行います。だから時間と日数がかかるのです。
鍼を刺入するとその下の部分の筋肉は、とてもよく緩みます
鍼を刺して抜いた後にはリンパ球や血液が、2,3日そこに集まってきます
リンパ球や血液が、筋肉の修復をはかります

薬は使いません、
鍼灸治療は対処療法ではなく根本治療だからです

とくに手や足の神経痛を治す場合、最も深層の筋肉まで修復させなければならないのです。深層の筋肉が畑のようになって始めて、根の神経圧迫が取りのぞかれ(神経根は筋肉の深い所から出ているので)末梢の神経の痛みやしびれが消失するのです。鍼を刺入するということは、この自然修復、自然回復力をうながしているのです。畑を作るとき、水や肥料をやりますよね。
水や肥料、太陽の光によって土が肥えてゆくのと同じです。

私は浅層から深層まで段々に丁寧に鍼を刺して行くと言いますが、この畑を耕すようなイメージで筋肉をよくしているのです。

 

症例4
H.Aさん 

現病歴

koshi24年前に腰が痛くなり、整形外科に行きました。滑り症と言われました。完治法は、なしと言われました。そこで近くの整骨院に2年近くいきましたが、よくなりません。友だちのすすめで中国鍼にいきましたが、痛くて断念。ペインクリニックに1年近く行きましたが、激痛の注射をしてもよくならず、耐えられなくなり、ホームページで当院のことを調べて、平成28年4月5日に藁をもつかむ思いで、来院いたしました。

どのような病態であったか

腰部及び臀部の筋緊張著明。左大腿部の後面に激しい神経痛の様な痛みがあった。骨盤に歪みがあり、足の長さが左右で1cm異なっていた。首や肩背部がガチガチに凝っていた。治療に疲れ精神的にも疲労しており、何としてもここで治りたいということであった。

治療方針

illust4238分離すべり症は、腰の椎骨が前方にすべり痛みを引き起こす疾患である。ですから、治療は腰部および腰仙部、臀筋群を対象とする。骨が前にすべっているので背部に緊張を起こしやすい。

根気よく治療を行う

筋肉をゆるめても繰り返し筋肉の緊張が起こるので根気よく治療を行う必要がある。炎症を伴うケースも多いので、浅層部分の柔らかい鍼にとどめ、段々深層の筋群をほぐしてゆく。丁寧に細かく鍼を刺入し、今日一日分の、目一杯の治療を積み重ねてゆく。仕事や日常生活でも腰に負担がかかる、ましてや腰痛を引き起こして4年という長い年月が経っている。幸い分離すべり症の程度を示す、腰椎の椎骨の大きな階段状変形は認められなかった。なので分離滑りの程度はそんなに重症ではないと考える事が出来る。

如何に良い治療をするかで全てが決まる

如何に丁寧に必要な治療を的確に施すかで結果が決まると言える。
骨盤及び頸椎を矯正し、身体の歪みを正し、鍼灸の効果が出しやすくなるようにする。腰部及び腰仙部、臀筋群に丁寧に鍼をほどこしていく。浅層より丁寧に、深部の筋群の緊張圧迫を取りのぞく

経過

3週間の治療で、激しい痛みは軽減した。仕事の中では痛みが出なくなった。経過がとても順調でもう少し痛みが完全に止まったら腹筋および殿筋、ハムストリングスを鍛えるリハビリをすることが必要である旨、伝えた。

自分の筋肉をコルセットにしよう

b5aeabf9d20c882a1f70026a48000871_s自分の筋肉を強化し、自分の筋肉そのものをコルセットとし、腰の骨が前方にすべる力を筋肉でカバーするのである。筋力を強くすることで、痛みが消失した後も再発しないようにするためである。一ヶ月の治療で痛みが完全に消失した。
以後、週一および二週間に1度の定期的な治療に切り替えたが、その後1度も痛みが出ていない。
ご本人も毎回、来るまでにしっかりと腹筋をやってくれており、そのことが再発を防止している

方解

分離すべり症は、骨が分離し前方にすべっている状態である。
この状態は、元に戻すことはできない。
しかし症状はよほど重症てない限り、大概の分離すべり症は治療とリハビリできちんと治るものである。
そういう私も若いときから分離すべり症をもっており、第3腰椎が3ミリほど前にすべっている。おまけに前腕過多症である。

すべり症には根本治療がお勧め

60になった現在もレスリング、ボクシングを行なっている。練習の時に足腰、腹筋を鍛え、意識して予防している。
分離すべり症は、腰の病気なので腰部および腰仙部、臀筋群さらに下腿部しいては肩背筋群の総合的な治療が必要である。そのうえにリハビリをすれば、再発の予防も出来る。
ペインクリニックに行って、痛みさえ取れれば良いというものではない。

公開日:2017年7月27日 更新日:2019年4月22日 ©