患者様の病態分析

臨床報告とは

臨床報告とは、一つ一つの病態をどのように分析し、診断を下し、そのもとに、どのような治療を施し、その経過を示し、どのような結果になったかという報告です。

様々な分野の臨床報告を残すことによって、後世の臨床家の手引き・参考としてほしいと願っています。

治療家であれば、どのように治療して良いかという悩みは、誰しも同じようなところに行きつきます。難しい疾患になる程、どうしたらよいのか分からないことも多く、悩みも多くなります。鍼灸が医学として発展するためには、臨床家や、これから臨床を目指す鍼灸師が、このような壁に当たった時、本当に参考になる手引きがほしいと思うのは誰しもです。

私は中医学弁証を学び、中国の大学院で学んでいる勉強を学ぶ機会を得ました。中国の臨床例の多さは、日本と比べるととてつもなく多くあり、その臨床例が私の成長に大きく繋がりました。残念ながら日本には、参考となる臨床報告がほとんどなされていないのが現状です。

患者様の協力を得て臨床報告をあげていきますので、後世の臨床家たちの参考となれば幸いです。

顎関節症 – 女性 T.Y様 年齢22歳

顎関節症 – 女性 T.Y様 年齢22歳

女性 T.Y様 年齢22歳

主訴

顎関節症

症状

gakukansetsu高校の時から顎が時々痛くなっていました。
寝ている時に、食いしばりや歯ぎしりの習慣があるようです。

就職して数ヵ月経ち、ご飯を食べていたら、急に口が開けづらく、指2本分以上開けられなくなり、当院のホームページで内容をご覧戴き、ここならとご来院いただきました。

院長の病態分析

gakukansetsu2就職したばかりで職場の雰囲気に慣れないことと、分からない事が多く、早く仕事を覚えたいとのことで、かなり頑張っておられました。
顎関節症は、ストレスや精神的緊張が高まることから、無意識に歯を食いしばってしまう状態が長く続くと、痛み等の症状と共に口が開けにくい自覚症状がでてきます。
この方も慣れない環境から知らないうちに、ストレスがかかり、症状がでてきたのだと思います。指2本分しか口が開かないという状態でした。

治療方針

bensyou精神的な過労や緊張を取り除く鍼と、肉体的な過労による疲労を取り除く鍼を、まず行いました。そうすることで、自然回復力を高め、ぐっすり眠れるようにします。
ストレスに対しても、元気が出る鍼を試みていきました。
体調を整えて、自然回復力を高めることが、顎関節の症状に対してはいちばん大切なことと言えます。
顎関節の痛みにだけ、アピールしても、肝心の緊張がほぐれていないため、効果は一時的なものとなってしまいます。

精神的な過労やストレスを取ることによって、初めて顎関節の症状が取り除かれるのです。
こういった顎関節の治療に対しては、全身への疲労回復へのアプローチが必要です。その上で、顎関節に対してアプローチするからこそ、短期間で顕著な効果があるのです。
この患者様は、4回で痛みの自覚がなくなり、あと2回かけて、顎関節の音の改善に取り組み、治療を終了しました。