患者様の病態分析

臨床報告とは

臨床報告とは、一つ一つの病態をどのように分析し、診断を下し、そのもとに、どのような治療を施し、その経過を示し、どのような結果になったかという報告です。

様々な分野の臨床報告を残すことによって、後世の臨床家の手引き・参考としてほしいと願っています。

治療家であれば、どのように治療して良いかという悩みは、誰しも同じようなところに行きつきます。難しい疾患になる程、どうしたらよいのか分からないことも多く、悩みも多くなります。鍼灸が医学として発展するためには、臨床家や、これから臨床を目指す鍼灸師が、このような壁に当たった時、本当に参考になる手引きがほしいと思うのは誰しもです。

私は中医学弁証を学び、中国の大学院で学んでいる勉強を学ぶ機会を得ました。中国の臨床例の多さは、日本と比べるととてつもなく多くあり、その臨床例が私の成長に大きく繋がりました。残念ながら日本には、参考となる臨床報告がほとんどなされていないのが現状です。

患者様の協力を得て臨床報告をあげていきますので、後世の臨床家たちの参考となれば幸いです。

肘の痛み-4回目で作業時の痛みも取れました。

患者様
男性 N.Mさん 44歳

主訴

肘の痛みを訴えられて来院されました。

院長の病態分析

job_kouji仕事では建築現場で、15キロぐらいのブロックの様な荷物を一日50回位、上下や、内外に動かす作業をされています。

肘関節を中心とした痛みですが、筋肉の炎症・硬結は、肘部だけでなく、前腕筋群(長短橈側手根伸筋腱、尺側手根伸筋)、上腕部外側(三角筋や上腕後面の「上腕三頭筋」)、上腕部内側(上腕二頭筋)にまで及んでいました。
さらに、骨の炎症は、橈骨頭及び、上腕骨外側上顆、肘頭の辺りに、根深く起こっていました。
普段の食事や、車の運転などでも痛くなった理由が良く分かります。よく我慢をされて仕事をなさったと思います。

仕事熱心で、非常に明るく前向きな方という印象がにじめ出ておりました。
本格的にテニスをやっている方が起こすテニス肘によく似た症状でした。
非常に頑固で、骨の炎症も強く、肘部を中心として腕全体の筋肉の緊張を認めました。

最初から腕全体を頭に入れて、全ての部位の治療を同時に行いました。
ひとつひとつ丁寧に鍼を打って、1回1回改善させるつもりで、取りくみました。

bensyou3回で日常の動作や、車の運転時の痛みがとれました。
4回目で作業時の痛みも取れました。
5回目はだめ押しで、筋肉の緊張や炎症が繰り返されないように底取りをし、再発しないよう念を入れました。

予定どおり、痛みが引き、私もうれしく思います。

今後、作業後は腕を上に上げて、細かく出来るだけ早く振動させて振ってください。

指の関節及び手関節~前腕筋群~肘関節~上腕筋群~肩関節~肩甲骨にかけて、揺さぶることで、毛細血管が鼓舞され、血流が良くなり、筋肉を栄養し、やわらかくし、且つ血流が良くなることによって、筋肉の炎症をやわらげることができます。

いち作業毎に運動後のクールダウンとして、上記の運動を行なうと、疲れをためることがなくなり、再発防止に繋がります。