患者様の病態分析

臨床報告とは

臨床報告とは、一つ一つの病態をどのように分析し、診断を下し、そのもとに、どのような治療を施し、その経過を示し、どのような結果になったかという報告です。

様々な分野の臨床報告を残すことによって、後世の臨床家の手引き・参考としてほしいと願っています。

治療家であれば、どのように治療して良いかという悩みは、誰しも同じようなところに行きつきます。難しい疾患になる程、どうしたらよいのか分からないことも多く、悩みも多くなります。鍼灸が医学として発展するためには、臨床家や、これから臨床を目指す鍼灸師が、このような壁に当たった時、本当に参考になる手引きがほしいと思うのは誰しもです。

私は中医学弁証を学び、中国の大学院で学んでいる勉強を学ぶ機会を得ました。中国の臨床例の多さは、日本と比べるととてつもなく多くあり、その臨床例が私の成長に大きく繋がりました。残念ながら日本には、参考となる臨床報告がほとんどなされていないのが現状です。

患者様の協力を得て臨床報告をあげていきますので、後世の臨床家たちの参考となれば幸いです。

腰痛 – 男性 E.N さん 年齢56歳

患者様
男性 E.N さん 年齢56歳

主訴

腰痛

院長の病態分析

腰痛を発症して18日目に来院されました。
なかなか回復しなかったのは、疲労が蓄積していたためです。
腰の疲労が、背骨を支えている両側の脊柱起立筋に及び、背中の局所に炎症を引き起こし、身体をまっすぐに支えられない状態になっていました。
普通骨盤が歪んで、背骨が傾き、歪みを引き起こすのですが、元来、健康力が強い方で、骨盤の歪みはわずかで、一度の軽い矯正で整いました。

全身の筋肉の疲労を取り除き、免疫力すなわち自然回復力を引き上げることを目標としました。
筋肉は、畑と同じようなもので、よく肥やしをいれ、よく手入れしていると、良い土壌になるのですが、2、3年も放置していると、かたくなったり、また粘土のようになります。
身体は疲労に対して、筋肉を固くして対応し、更に疲労すると粘土のようになって身体の動きに対応します。固くなることで、痛みを出し、粘土のようになることで、痛みを抑制しながら、動きを悪くして、身体を守っています。
粘土のようになった筋肉に鍼をすると、血液が巡って、古い水分や老廃物が代謝され、一度固い筋肉になります。さらに、鍼を行うと、リンパ球や血液が集まってきて、修復を続け、弾力のある筋肉になってきます。

畑で言うと、血液は肥やしのようなもので、筋肉や骨、神経の栄養です。良い畑の土壌は、作物の根や茎をしっかり支えて、栄養を与え、適当な水分を保持し、且つ水はけや通気が良いです。

この患者様は、はじめは粘土のような筋肉で、古い水分や老廃物が溜まり疲労されていました。そこに、鍼治療を施す事で、代謝を促し、本来ある筋肉の状態へともどるような環境を作っていきました。その結果、自然回復力を高まって、血流が良く、十分な血液が補給され、弾力のある筋肉を取り戻し、痛みが引いていきました。

はやめに対応するほど、筋疲労や痛みは早く取り除くことが期待できます。

無理をしないで早めにご相談下さい。
常にベストコンディションを保ちましょう。