患者様の病態分析

臨床報告とは

臨床報告とは、一つ一つの病態をどのように分析し、診断を下し、そのもとに、どのような治療を施し、その経過を示し、どのような結果になったかという報告です。

様々な分野の臨床報告を残すことによって、後世の臨床家の手引き・参考としてほしいと願っています。

治療家であれば、どのように治療して良いかという悩みは、誰しも同じようなところに行きつきます。難しい疾患になる程、どうしたらよいのか分からないことも多く、悩みも多くなります。鍼灸が医学として発展するためには、臨床家や、これから臨床を目指す鍼灸師が、このような壁に当たった時、本当に参考になる手引きがほしいと思うのは誰しもです。

私は中医学弁証を学び、中国の大学院で学んでいる勉強を学ぶ機会を得ました。中国の臨床例の多さは、日本と比べるととてつもなく多くあり、その臨床例が私の成長に大きく繋がりました。残念ながら日本には、参考となる臨床報告がほとんどなされていないのが現状です。

患者様の協力を得て臨床報告をあげていきますので、後世の臨床家たちの参考となれば幸いです。

顎関節症 – 女性 A様 年齢26歳

顎関節症 – 女性 A様 年齢26歳

主訴

顎関節症

症状

gakukansetsu中学生なったころより、口が開けにくくなりました。
普通にしていても、顎が外れそうな感覚に陥ることがありました。
口を開けると、ガクガクと音がし、歯の位置、噛み合わせがいつもずれているような感覚がしていました。
2ヶ月前、終電が迫っており急いで食事を食べていたら、顎に激痛が走りました。その日以来、痛みがどんどん酷くなり、普通にしていても口が歪みそうになって、我慢できなくなるぐらい痛むようになりました。

院長の病態分析

知人の紹介を受け、ご来院いただきました。
問診と診察をすると、首や肩が異常に凝っていました。
さらに口を締める筋肉群がガチガチに凝り固まっていました。精神的な緊張や過労が重なっていたのでしょう。

治療方針

gakukansetsu02精神的な緊張と過労から、おこった症状と思います。
顎関節は、かみ癖、過労に精神的な緊張が重なって発生します。
スポーツをなどで気合いをいれるときや、夜寝ている時、無意識に顎を噛みしめる癖がある方がよくいらっしゃいます。
これは緊張がとれずに、無意識に噛んでしまっている状態です。
とくに過労や精神的な緊張が重なると、噛みしめる時間が長くなり、閉口筋が拘縮し、炎症を起こし、口を開くことができにくくなります。
通常は指4本分程度口を開くことが出来るのですが、上記の状態では、一本分しか開かなくなることがよくあります。

この方は、指2本分ほどしか口が開かず、それ以上開けると強く痛む状態でした。

bensyou精神的な緊張を取ることが大切となります。
気を巡らし、精神的にリラックスできるツボの配穴を行い、鍼を施しました。
首や肩、肩背筋群の凝り、緊張を取り除く鍼を丁寧に施します。
身体的な過労や緊張を取り除き、顎関節に対してアピールします。

閉口筋に対して丁寧に鍼を示し、緩めていきます。同時に開口筋に関しても、筋の緊張を取り除いていきます。

首の骨の歪みと顎関節の歪みを矯正し、整えていきます。

一度目の治療で、今までにないぐらい口を開くことを実感できたとお慶び戴き、3回目の治療で、痛みの自覚症状がなくなりました。顎関節の音が気になるとのことでしたので、あと2回追加で音に対し治療をし、全5回で終了となりました。