患者様の病態分析

臨床報告とは

臨床報告とは、一つ一つの病態をどのように分析し、診断を下し、そのもとに、どのような治療を施し、その経過を示し、どのような結果になったかという報告です。

様々な分野の臨床報告を残すことによって、後世の臨床家の手引き・参考としてほしいと願っています。

治療家であれば、どのように治療して良いかという悩みは、誰しも同じようなところに行きつきます。難しい疾患になる程、どうしたらよいのか分からないことも多く、悩みも多くなります。鍼灸が医学として発展するためには、臨床家や、これから臨床を目指す鍼灸師が、このような壁に当たった時、本当に参考になる手引きがほしいと思うのは誰しもです。

私は中医学弁証を学び、中国の大学院で学んでいる勉強を学ぶ機会を得ました。中国の臨床例の多さは、日本と比べるととてつもなく多くあり、その臨床例が私の成長に大きく繋がりました。残念ながら日本には、参考となる臨床報告がほとんどなされていないのが現状です。

患者様の協力を得て臨床報告をあげていきますので、後世の臨床家たちの参考となれば幸いです。

骨盤矯正 – 女性 S.K.さん 年齢27歳

患者様
大阪府豊中市在住 女性 S.K.さん 年齢27歳

主訴

〇骨盤の歪み
〇姿勢を矯正して欲しい。(立っていると右から左に身体が曲がっていく気がする。)

随伴症状

〇首肩の凝り
〇腰痛
〇足がむくむ

現病歴

四年前、介護の仕事である子どもに食事をとらすとき、すごく無理な体勢をとらなければなりませんでした。その体勢でしか無理だったので腰を痛めました。以来ずっと身体が歪んでいるような気がします。立っていると右から左に身体が回旋していきます。自然にまっすぐ立っているつもりでも、身体を右から左側に回して見ているそんな自分に気がつくのです。

この歪みに気がついてから、二年後に骨盤矯正の専門店に通院しましたが、あまり変わらなかったのでやめました。整形外科では側湾症だと言われましたが、痛みがなければ手術は必要ないと言われました。
ここ一年でかなり身体が歪み始めたのを感じたので、姿勢を治して欲しくて来院しました。

現象(写真、矯正)

〇骨盤は左から右に回旋しています。
〇左骨盤が前上方に歪んでいます。(うつ伏せで寝て両足の長さを比べると、左足が1cm程長く見えます。)左ASカテゴリー1
〇下部胸椎から腰椎にかけて軽い側湾を認めます。

原因の分析

左骨盤が前上方に歪んでいます。さらに、骨盤が左から右にかなり回旋しています。そのままでは自然にまっすぐ立つと、骨盤が左から右に回旋しているので左側から右側を見ることになります。それでは不自由ですので、自分で上半身を自然に右から左に回旋させてバランスを取ろうとします。バランスを取ろうとしすぎて、上半身だけ見ると右から左に回旋しているように見えるのです。

治療方針

上記の骨盤の歪みを矯正します。さらに、腰、殿筋群、背中、肩、首の筋肉を鍼で丁寧にほぐしていきます。緊張した筋肉を一つ一つほぐしていくと全身の筋肉のバランスがとれます。歪んだ姿勢も改善され、正姿勢を保ちやすくなります。自然の姿勢が長く維持出来るように筋肉と骨の両方の面から改善していきます。

経過

初回の矯正で、本人は身体が真っ直ぐになったと感じ驚かれました。結果として原因は骨盤の歪みであることが分かりました。リバウンドしないよう筋肉と姿勢の矯正を数日の間隔を開けながら5回続けた結果、身体の疲れもとれ、姿勢が改善され、歪んだ感じがなくなりました。左右の足の長さもそろっていきました。リバウンドしないように自宅でできるホームケアをいくつか続けてもらうことにしました。